700年前に起こったメコンデルタの分流水路の放棄と埋積が明らかになる

公開日 2021年05月28日

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 エスチュアリー研究センターの齋藤文紀教授が代表を務める科研費「潮汐卓越型エスチュアリーにおける堆積モデルの再構築」で行われたメコンでデルタにおける研究成果が発表されました。メコンデルタでは、いくつかの分流水路が発達し、広大なデルタが形成されています。このうち、バーライ分流水路は、すでに放棄され、水路のほとんどが埋積されています。2019年に分流水路跡からボーリングなどにより試料を採取し、堆積物の分析を行った結果、約700年前に水路が放棄され、100年から200年の短期間に埋積されたことがわかりました。
 潮汐が卓越するデルタ(三角州)において、初めて放棄分流水路を埋積する堆積物の詳細が明らかになりました。この研究成果は、潮汐が卓越するデルタやエスチュアリーの堆積モデルの高度化や、過去の地層の理解につながることが期待されます。
 本研究の成果は、2021年5月26日にScientific Reports誌に掲載されました。


黄色の点線がメコンデルタのバーライ分流水路

 本研究は、ベトナム科学技術院ホーチミン市地理資源研究所との共同研究として現地調査が行われました。

<発表雑誌>

論文タイトル:Abandonment and rapid infilling of a tide-dominated distributary channel at 0.7 ka in the Mekong River Delta
https://www.nature.com/articles/s41598-021-90268-6
著者:Gugliotta, M., Saito, Y., Ta, T.K.O., Nguyen, V.L., Tamura, T., Wang, Z., Croix, A.L.
雑誌名:Scientific Reports,11, 11040.

 

 

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