センター長挨拶

 河口域、内湾や沿岸湖沼を含む名称の「エスチュアリー」を冠した国内における唯一の研究センターとして平成29(2017)年4月に発足した「エスチュアリー研究センター」も、令和5年度に7年目を迎えました。1992年4月に島根大学に設置された「汽水域研究センター」からすると32年目になります。汽水域を取り巻く環境はこの間に大きく変わりつつあります。干拓・淡水化事業などの改変と利活用から、自然環境の保全を含めた持続的な取り組みが中心となってきており、地球温暖化などの影響への対策も考慮する必要に迫られています。人間活動の影響を受けやすく、また人間活動と密接に繋がっているエスチュアリーを、俯瞰的な視野から科学的に取り組むことが要請されています。エスチュアリー研究センターでは、「環境変動解析部門」「流動解析部門」「水圏生態研究部門」の3部門体制で、理学・工学・農学を基礎に、流域から沿岸域を含めて総合的な研究を推進しています。
 エスチュアリー研究センターでは、日本最大の汽水域である「宍道湖・中海」の研究に加えて、国内におけるエスチュアリー研究の拠点として、またアジアにおける研究拠点とハブとなることを目指して取り組んでいます。エスチュアリー研究を先導し、皆様から頼られるセンターとなるためにも、皆様からのご意見・ご要望を頂けると幸いです。皆様のご支援とご協力をお願い申しあげます。

センター長 齋藤 文紀