フエ農林大学訪問のご報告

2016年9月15日

フエ農林大学ならびにタンジャン・カウハイラグーン水系への訪問

2016年9月4~9日

瀬戸 浩二1・宮坂 実2・香月 興太1

(1汽水域研究センター,2国際交流センター)

 ベトナム・フエ農林大学:Hue University of Agriculture and Forestryとの共同研究ならびに大学間協定締結に向けた打ち合わせのため,9月4日から9日にかけてベトナムを訪問しました.9月6日にフエ農林大学へ訪問し,お互いの研究内容や協定に関する打ち合わせを行い,7~8日にフエ農林大学の教員や院生たちと共にフエ市に隣接するタンジャン・カウハイラグーン水系ならびにフエ市南方のラップアンラグーンを訪れました.フエ市はベトナム中部に位置し,ベトナム最後の王朝に当たるグエン王朝の首都であった都市です.ベトナム中部の海岸沿いには多くの海跡湖が存在しますが,フエ市に隣接するタンジャン・カウハイラグーン水系は特に大きな湖であり,良質な漁場と して沿岸の人々の生活に密着しています.しかし,近年は過剰な養殖による水質の悪化や台風襲来時の洪水災害が沿岸住民の生活を逼迫する事態が起きており,タンジャン・カウハイラグーン水系の調査や生態系保存に関する対策が望まれています.そのため今回フエ農林大学にタンジャン・カウハイラグーンへの共同調査を提案したところ,フエ農林大学同様巨大海跡湖に面した大学であり海跡湖を調査する専門研究施設を有するということもあり,大変積極的な返事を頂きまし た.

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写真1(上)フエ農林大学

写真2(下)瀬戸先生の講演に耳を傾けるフエ農林大学の教員の方々

 9月6日の打ち合わせでは,フエ農林大学の水産学部(Faculty of Fisheries)の教員の方々全員ならびにフエ農林大学の学長(Rector, ベトナムでの英語表記)に迎えて頂き,お互いへの理解の為に,それぞれの研究期間に関する情報交換を行いました.島根大学側からは,まず国際交流センター の宮坂准教授が島根大学ならびに松江・出雲の紹介を行い,その後,汽水域研究センターの瀬戸准教授が汽水域の調査・研究一般について説明を行った後,私香月が汽水域の堆積物を用いた研究の例を紹介しました.その後フエ農林大学側から,現在フエ農林大学で行っている調査や今後行いたい調査に関して説明を頂 き,お互いの大学・研究紹介が終わった後,協定に関する打ち合わせを行いました.

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図1.フエ農林大学ならび周辺海跡湖の位置関係(Google Earth使用).

 

 9月7日は,フエ農林大学のメンバーと一緒にトゥンアン湖口を見に行った後,タンジャン・カウハイラグーン水系の中心部に位置するタンラムラグーンを見にいきました.タンラムラグーンは湖の大部分を網いけす養殖施設が覆っており,養殖がラグーン一帯の漁民にとって重要であることが伺うことが出来ます.調査の後は,フエ農林大学水産センターの設備を見せて頂きました.

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写真3(上)この日の調査に付き添って頂いたフエ農林大学のメンバーと今回の交渉にあたり骨を折って頂いた(株)地球システム科学の冨田会長(右から3人目)

写真4(下)タンラムラグーン内の網いけす養殖施設

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写真5(上)タンラムラグーン巡検中.右から4人目は今回最もお世話になった(株)地球システム科学現地スタッフのニャムさん

写真6(下)フエ農林大学水産センターの研究室設備をみる日本人メンバー達

 9月8日はタンジャン・カウハイラグーン水系南方のカウハイラグーンならびにラップアンラグーンに連れていっていただきました.カウハイラグーンの湖口は放っておくと閉鎖するようで,大型機器を使い人工的に空けている様子を見ることが出来ました.またカウハイラグーン自体も非常に浅いようで,湖の半分はエリ漁の施設がそこかしこに設置してある様子が確認できました.ただ残念ながら訪問時は干潮だったため,水深が1mを下回っており,湖全域を確認することは出来ませんでした.ラップアンラグーンも非常に浅い湖でしたが,フエ農林大学の先生によると中心部の湖底には砂交じりのシルトが堆積しているとのことでした.

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写真7(上)カウハイラグーンの湖口にて.右奥の船は湖口開削の為のもの.ちなみにこの砂浜は鳴り浜でした.

写真8(下)エリ漁用の漁具

 私にとっては初めてのベトナムでしたが,ベトナムは現在発展途上の国だけあって人々に活気が満ちており,大変良い国でした.食事が安くておいしいのも高得点.今後共同研究を通じて良い関係が築けると良いと思わされる出張でした.

文責:香月 興太(汽水域研究センター)

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