環境変動解析部門

部門の概要

  河口域や沿岸平野に分布するエスチュアリーは、大気を含めれば三圏の境界域に位置しており、地球規模の海水準変動や気候変化に応答して世界各地に形成されてきました。エスチュアリーは、人類にとっては重要な生活・生産の場ですが、一方で人為的な改変などが行われ、環境は大きく変化してきています。いかにエスチュアリーを保全し、持続的に利活用するかは、重要かつ大きな課題です。エスチュアリーの堆積物は、外的な要因による地球規模また地域的な環境変化、陸域や海域の環境変化、さらに人為的な環境変化を記録しており、これらの解析は、現在の環境を正しく評価するためにも、また将来の環境変化を予測し、将来像を構築するためにも必要となります。
 当部門では、現在の低地や沿岸環境が成立し始めた約1 万年前から現在までを主対象に、堆積物または生物に記録されている環境変化の情報を、地質学的・堆積学的・地球化学的・古生物学的手法を用いて様々なオーダーで解読し、その環境変遷や環境変化を引き起こした要因を解明することを目指しています。これらの解明のためには、現在の環境を把握し、現在起こっている環境変化を継続的にモニタリングすることで、そのプロセスを理解することも重要となります。当部門では、過去の現象に加えて現在の環境を扱うことによって、現在の環境評価をより長期的な視点から行い、将来の環境予測や環境再生・修復のための理想モデルの構築に貢献し、社会的なニーズに応えるための基礎的なデータを提供しています。

メンバー

齋藤 文紀
瀬戸 浩二
香月 興太
仲村康秀

画像紹介(クリックすると拡大画像になります)

s_slide4.JPG
湖底堆積物の年縞構造に含まれる災害の痕跡

s_ECRD2.jpg
ハンドオーガー


s_ECRD5.jpg
中海における14Nk-9Cコアの試料分割

s_ECRD4.jpg
堆積物中の珪藻化石


s_ECRD6.jpg
底質の観察

s_ECRD3.jpg
宍道湖~中海の塩分断面