対馬暖流は約7300年前に現在と同じ規模になった

公開日 2017年02月28日

齋藤 文紀(島根大学汽水域研究センター・産業技術総合研究所)

発表概要
 台湾の西部から南西部には、濁水渓(Choshui River)や曽文渓(Tsengwen River)などの河川によって形成された約5000km2にも及ぶ嘉南平原(Chia-Nan Plain)が広がっており、嘉南平原の各河川から海域に運搬される土砂の総量は年間1億トンにも達する。嘉南平原から報告されているボーリング資料や年代測定結果をとりまとめた結果、過去7千年間に約200km3(3000億トン)もの土砂がデルタに堆積し、嘉南平原を形成していることが明らかになった。また、東シナ海、黄海、日本海南部の海域から採取された柱状試料の既存の報告をとりまとめた結果、最終氷期後の海水準上昇によって台湾海峡が陸域から海域に変化し、約7300年前に台湾暖流が生まれたこと、台湾暖流は東シナ海において黒潮と混合しつつ北上し、台湾西側の河川から供給された堆積物は台湾暖流と黒潮の混合により沖縄トラフに広く堆積していること、また台湾暖流は対馬暖流に連結し、日本海へも影響が及んでいることが明らかになった。台湾暖流が生まれた7300年前に、現在のような海流システムが成立したことが明らかになった。(台湾暖流と対馬暖流の別名は、それぞれ台湾海流と対馬海流)

<発表雑誌>
雑誌名,巻,ページ等:Quaternary International, online,
http://www.sciencedirect.com/science/article/pii/S1040618216311375
http://dx.doi.org/10.1016/j.quaint.2017.02.020
掲載日:2017年2月28日
論文タイトル:Sediment trapping in deltas of small mountainous rivers of southwestern Taiwan and its influence on East China Sea sedimentation
著者:Kan-Hsi Hsiung, Yoshiki Saito

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