新任スタッフ紹介 - 安藤 卓人 博士

公開日 2020年02月04日

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自己紹介, Introduction

安藤 卓人 博士, 特任助教
Dr. ANDO Takuto, Assistant Professor

 
 2020年2月1日付で特任助教として着任しました安藤 卓人です。出身は千葉県ですが、北海道の雄大な自然にあこがれて、2007年4月に北海道大学理学部地球科学科に入学しました。研究者としての道を選び、2016年9月には北海道大学理学院で博士号(理学)を取得、その後は学術研究員をし、2017年2月からは北海道大学・北極域研究センターで博士研究員として、研究を行なってきました。
 私のバックグラウンドは地質学(Geology)ですが、主に有機地球化学(Organic Geochemistry)と微古生物学(Micropaleontology)の手法を用いて、古気候(Paleoclimatology)、古環境(Paleoenvironmental Science)、古海洋(Paleoceanography)の研究を進めています。また、研究の過程で堆積学(Sedimentology)、生物地球化学(Biogeochemistry)、雪氷学(Glaciology)、大気化学(Atmospheric Chemistry)などの分野にも触れてきました。フィールドワークも積極的に行ない、これまで北海道、フランス、インド洋・ベンガル湾、グリーンランドなどで調査をしてきました。
 エスチュアリー研究センターでは、堆積物試料中の「バイオマーカー」と「有機質微化石(パリノモルフ)」に注目した研究を行なっていきます。ある生物種が特有に生合成する分子である「バイオマーカー」は、分子化石ともいわれており、堆積物や堆積岩からも検出されます。バイオマーカーを用いると、過去の生物生産や生物群集復元することができるだけでなく、堆積物中での変化(続成過程)を経て骨格や構造が変わるため、その違いを指標として利用できます。一方、「パリノモルフ」は巨大分子で構成された生物がつくりだす有機質の殻もしくは膜組織です。生物分解や熱分解に抵抗性のあるパリノモルフは長い年月を耐えぬき、(一部は変成を受けますが)堆積物・堆積岩中に保存されます。パリノモルフは、多種多様な生物種を含んでいますので、過去の生物群集のみならず、生態系全体を復元できる有力なツールとなり得ます。その分、分類が煩雑であり、なおかつ分類が不可能な「アクリターク」が多く存在するため、国内での研究は下火になっています。一方、パリノモルフの高分子構造から化学分類(Chemotaxonomy)や新規指標の開発を行なう新たな分野「微化石有機化学(Palynochemistry)」が、近年国外で盛んになってきました。海外の研究者と連携しつつ、「微化石有機化学」の国内での普及を目指します。
 私は、研究には「夢」がなければ…と日々思いながら研究をしております。エスチュアリー研究センターの特任助教として経験や実績が、私の「夢」を叶える重要なものとなるよう願いつつ…。実験に調査なんでも承りますので、皆様どうかご指導ご鞭撻のほど、よろしくお願いいたします。

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