駿府城御濠で調査を実施しました
公開日 2021年07月26日
2021年7月13日、早稲田大学の山田和芳教授、静岡県ふじのくに地球環境史ミュージアムの中西利典准教授らと共に駿府城のお濠の堆積物を調査しました。島根大学からはエスチュアリー研究センターの瀬戸浩二准教授と私・香月、総合理工学部4回生の清政宗一郎君が調査に参加しました。
駿府城の城濠は1607年の築城以来湧水で満たされていましたが、昭和33年(1958年)頃より漸次減少し、やがて枯渇しました。その後多くの市民から貯水の要望が出たため昭和43年(1968年)の試験の後、昭和44~47年(1969~1971年)に貯水工事が行われました。城濠の底に厚さ10cmの砂を敷き、その上にポリエチレンフィルムを二つ重ねで覆ったのちに、更にその上に厚さ20cmの土砂を敷くことで貯水を可能としました。
今回の調査では、貯水工事以降に駿府城の水質がどのように変わっていったのかを明らかにするために、山田教授の発案で湖底堆積物の採取が行われました。採取に用いたのは瀬戸准教授が考案した不擾乱半割ピストンコアラ―で、お堀の底からポリエチレンフィルム上の土砂層までの堆積物を採取しました。
静岡は科学調査に関心が高い土地柄なのか、お城を管理する静岡市役所観光交流文化局の方に加えて、市役所経済局の方や商店街振興組合の方々、静岡新聞の記者の方、さらには静岡市長までも調査に参加してくださいました。
今後は随時お堀の堆積物中の化学組成や微化石群集組成が分析される予定です。(文責:香月興太)
静岡新聞に掲載された記事は、下記サイトから読むことができます。
https://news.yahoo.co.jp/articles/d6b6d82a38a1699be4657f0a07f5ab22cd81a95b
https://www.at-s.com/news/article/shizuoka/929093.html