島根大学 エスチュアリー研究センター公開講演会を開催しました

公開日 2023年10月20日

<img title="IMG_0493-TOP.jpg" src="/_files/00323253/IMG_0493-TOP.jpg" alt="IMG_0493-TOP.jpg" />

 10月14日(土)松江テルサ大会議室において、島根大学 エスチュアリー研究センター公開講演会を開催いたしました。第3回目となる今回は、「半閉鎖的な内湾域における生態系の構造と漁業および環境問題~宍道湖・中海の持続的な利活用と保全を目指して~」をテーマに、日本各地の半閉鎖性内湾域をフィールドの一つとしている研究者4名に、それぞれの場所で行われている漁業や、生態系・生物群集の構造、環境問題、生態系保全・環境修復の取り組みなど様々な視点から講演いただきました。参加者はオンサイト38名(県外7名・県内31名)、オンライン26名の計64名でした。
 齋藤文紀 島根大学エスチュアリー研究センター長の開会挨拶、大谷浩 島根大学理事の挨拶、堀之内正博 島根大学エスチュアリー研究センター 准教授による本会の趣旨説明に続き、倉田健悟 島根大学生物資源科学部 准教授の「変動する汽水環境下における生物群集の応答―宍道湖と大橋川の底生生物を例に」と題した、宍道湖と大橋川の長期モニタリングから得られたヤマトシジミとホトトギスガイの個体群動態を主軸とした報告がありました。また佐藤允昭 国立研究開発法人 水産研究・教育機構 水産技術研究所 主任研究員からは「半閉鎖的な内湾域に広がるアマモ場:アマモの生活史の違いが魚類に与える影響と漁業者によるアマモ場再生事業の効果」と題して、浜名湖でのアマモ生活史の調査結果や岡山県日生町のアマモ場再生事業の効果についての報告がありました。
 休憩を挟んで、加納光樹 茨城大学 地球・地域環境共創機構 水圏環境フィールドステーション 教授からは「霞ヶ浦での魚類相の変遷:とくに近年の外来種問題に注目して」と題した、霞ヶ浦での魚類相の変遷・環境改変の流れを踏まえ、近年漁業に甚大な被害をもたらしている外来ナマズについて報告がありました。続けて山口敦子 長崎大学 水産・環境科学総合研究科 教授の「有明海の漁業の現状と多様な魚類からなる豊かな生態系を紐解く」では、有明海の漁業の現状と高次捕食者からのトップダウンの視点や多様な魚類から見た生態系の報告がなされました。
 講演いただいた情報量が盛りだくさんで、予定していた質疑応答の時間が充分に取れなかった点はありましたが、聴講者の皆さんは熱心に各地域の様々な研究報告に興味深く耳を傾けておられました。
 最後に、矢島啓 島根大学 エスチュアリー研究センター 副センター長よる、講演者、聴講者、スタッフへの感謝と労いを込めた閉会の挨拶があり、島根大学 エスチュアリー研究センター公開講演会は無事終了しました。本講演会は今後隔年での開催となりますので、次回は令和7年に開催を予定しています。ぜひご期待ください。



挨拶をする大谷浩 島根大学理事


倉田健悟 島根大学生物資源科学部 准教授の講演の様子


佐藤允昭 国立研究開発法人 水産研究・教育機構 水産技術研究所 主任研究員の講演の様子


加納光樹 茨城大学 地球・地域環境共創機構 水圏環境フィールドステーション 教授の講演の様子

 


山口敦子 長崎大学 水産・環境科学総合研究科 教授の講演の様子

 


聴講者の質問に答える山口敦子 教授

 

戻る