齋藤文紀特任教授が産総研論文賞(2023年度)を受賞しました
公開日 2024年04月02日
国立研究開発法人産業技術総合研究所(産総研)は、産総研として誇れる高水準の論文を発表した研究者に対して、平成26年(2014年)度より毎年「産総研論文賞」として顕彰しています。齋藤文紀特任教授(エスチュアリー研究センター、産総研名誉リサーチャー)は、産総研在職時からベトナムのメコンデルタの研究を行ってきており、近年大きな問題となっている沿岸侵食に対して、地質学的な手法を用いて過去2500年間における海岸線の変化を明らかにし、1900年代前半のフランス統治時代の運河・水路の建設が沿岸侵食の原因の一つであることを明らかにしました。この研究成果は、Scientific Reportsに掲載され、同雑誌の地球科学分野の年間トップ100編の論文に選ばれ、クラリベート社のトップ5%の高被引用論文となっています。令和6年3月29日に産総研において、産総研職員の田村亨氏、中島礼氏と共に顕彰されました。
論文タイトル: Long-term sediment decline causes ongoing shrinkage of the Mekong megadelta, Vietnam(ベトナム,メコンメガデルタにおける長期的な堆積物供給の減少が引き起こすデルタの海岸侵食)
https://www.nature.com/articles/s41598-020-64630-z
著者:Toru Tamura, Van Lap Nguyen, Thi Kim Oanh Ta, Mark D. Bateman, Marcello Gugliotta, Edward J. Anthony, Rei Nakashima, and Yoshiki Saito.
雑誌名,巻,論文番号: Scientific Reports, 10, 8085
出版年月:2020年5月
出版社:Springer-Nature
顕彰名:産総研論文賞(AIST Best Paper Award)2023年度
受賞件名:土砂供給の長期的な減少によるメコンデルタの縮小
受賞者:田村 亨、中島 礼、齋藤 文紀
産総研における紹介ページ
https://www.aist.go.jp/aist_j/aist_award/