第150回汽水域懇談会 -仲村 康秀 博士-【12/09開催】
公開日 2020年11月18日
新型コロナウイルス感染症の拡大により、4月以降開催を取りやめていました汽水域懇談会ですが、参集しての開催は今後も困難なことが予想されることから、新しい試みとしてオンラインにより開催することに致しました。次回の第150回汽水域懇談会は、以下の要領で開催いたします。掲示用ポスター
またエスチュアリー研究センターでは、汽水域合同研究発表会を2021年1月9日(土)〜10日(日)にオンライン開催いたします。現在、講演を募集しています。皆様の投稿をお待ちしています。詳しくはこちらをご覧ください
第150回汽水域懇談会
題目 : 単細胞動物プランクトンの生態・多様性解明
話題提供者 : 仲村康秀特任助教(エスチュアリー研究センター)
日時:2020年12月9日(水) 17:00-18:00
オンライン開催(Zoomを利用):事前登録して頂いた方にZoomのURLをお送りいたします。 参加希望の方は、12月7日(月)正午までに<kisui@soc.shimane-u.ac.jp>へご連絡ください。
【発表の概要】
自然界に生息するプランクトンの研究では、珪藻類などの植物プランクトンやカイアシ類に代表される多細胞動物プランクトンに関する情報が蓄積されてきた。一方、「単細胞動物プランクトン」に関する知見は非常に限定的である。プランクトンネット採集と固定試料に対する顕微鏡観察という通常の手法では、単細胞動物プランクトンの脆弱な骨格が破損してしまい、個体数やバイオマスが過小評価されてしまう事が原因として挙げられる。しかし、近年発達が目覚ましい水中観測機器や環境DNAメタバーコーディング等により、単細胞動物プランクトンは従来認識されていたよりも高いバイオマスを持ち、水圏生態系へ与える影響が大きい事が示唆されている。特に、フェオダリア類と放散虫類は、メソサイズ以上の動物プランクトン総個体数の33%を占めるという報告もあり、海洋物質循環に最も大きな影響を与える単細胞動物プランクトンとして注目され始めている。
本講演では、フェオダリア類や放散虫類などの単細胞動物プランクトンに注目し、下記のような (比較的) 新しい技術を用いた骨格構造と生態の解明についてご紹介したい。