2011年東北沖地震の津波で仙台湾の堆積物は広範囲で移動した-津波前後の表層堆積物の変化を確認-

公開日 2021年04月19日

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 産業技術総合研究所、島根大学、北海道大学の研究グループは、2011年東北地方太平洋沖地震に伴う津波(以下「2011年東北沖地震津波」という)によって仙台湾の堆積物が広域に渡って攪拌され、移動したことを解明しました。
津波によって海底堆積物が攪拌・移動することは知られていましたが、仙台湾の規模で堆積物がどの程度動かされたかはわかっていませんでした。1985年と2012年の調査結果の比較から、津波が浅海域の海底環境に大きな影響を与えることが初めて明確に示されました。津波の海底への影響のシミュレーションの高度化、津波の深海への物質輸送や過去の津波堆積物の理解につながることが期待されます。
 本研究の成果は、2021年4月12日にScientific Reports誌に掲載されました。

 本研究は、産業技術総合研究所と北海道大学の研究者とエスチュアリー研究センターの齋藤文紀教授との共同研究の成果です。齋藤教授は本研究において、1985年の仙台湾の堆積物の調査を行い、とりまとめています。

<発表雑誌>
論文タイトル: The 2011 Tohoku-oki tsunami-induced sediment remobilization on the Sendai shelf, Japan, from a comparison of pre- and post-tsunami surface sediments.
https://doi.org/10.1038/s41598-021-87152-8
著者: Ikehara, K., Irino, T., Saito, Y.
雑誌名: Scientific Reports, 11, 7864

 

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