過去350年間の古気候研究に用いられた安来清水寺の大杉が清水寺に奉納されました

公開日 2023年12月11日

<img title="231211-TOP.png" src="/_files/00326605/231211-TOP.png" alt="231211-TOP.png" />

 徳岡隆夫島根大学名誉教授(汽水域研究センター初代センター長)、三瓶良和総合理工学部教授(エスチュアリー研究センター兼任教員)、中塚武名古屋大学教授らによって、過去350年間の古気候研究に用いられた安来市の古刹清水寺の杉の巨木(推定樹齢約500年)がモニュメント化され、2023年12月9日に清水寺の清水谷善圭長臈(前住職)および清水谷善暁貫主(現住職)に対して奉納されて宝物館(宝蔵)に展示されました。奉納式には、齋藤文紀エスチュアリー研究センター長および香月興太同講師も参加し古気候に関する解説を行いました。中塚教授らの酸素同位体比分析の結果により、1991年9月27日に台風19号によって倒れた安来清水寺の大杉には享保の飢饉(1731-1732)・天明の飢饉(1782-1787)・天保の飢饉(1833-1839)が冷夏長雨によって引き起こされたことが記録されており、さらに山陰地方では天保の飢饉が最も冷夏多雨であったことが示されました。山陰地方での巨木は稀であるために成果は貴重であり、今後の研究の発展が期待されます。これらの関連記事は山陰中央新報の12月10日22面に掲載されました。安来清水寺ではこの年輪試料が納められた宝物館を春と秋に一般公開します。

大杉の試料は約1.5mの直径で、写真は輪切り試料の約1/3に相当。清水寺の宝物館に収納・展示されている。

 

 

 

戻る