~宍道湖はいつ形成されたか~約3700年前に古宍道湾から宍道湖に変容したことが明らかになりました【エスチュアリー研究センター】
公開日 2025年04月18日
宍道湖から出雲平野は、縄文時代の早期から中期には、日本海とつながった古宍道湾という内湾が広がっていたことが知られています。今回、出雲平野東部の斐川町で行ったボーリングコア、HK19/HK22試料の詳細な分析から、斐伊川と神戸川の複合三角州が島根半島に達した時期が、従来考えられていた約4000年前よりも新しく、約3700年前であることがわかりました。この時に三角州平野である出雲平野が島根半島と陸続きとなり、古宍道湾が東の宍道湖と西の神門水海に分断されたことになります。また斐伊川の宍道湖への東流は、西暦1300年頃であり、Nakamura et al. (2023)で推定された年代が追認されました。
本研究は、自然科学研究科大学院博士後期課程のAan Diantoさんほかの研究成果で、エスチュアリー研究センターの齋藤文紀特任教授が代表を務める科学研究費補助金基盤研究A(21H04521)において実施されました。
過去1万年間の出雲平野から宍道湖の環境変遷 (cal. yBP: 年前)。赤丸地点が分析を行ったHK19 とHK22のボーリングコア試料採取地点
Nakamura, Y., Ogiso-Tanaka, E., Seto, K., Ando, T., Katsuki, K., Saito, Y. (2023) DNA metabarcoding focusing on the plankton community: an effective approach to reconstruct the paleo-environment. Scientific Reports, 13, 48367.